Act6.セクシーダンスにテンパります

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 クイズコーナーに続いたのはソロのコーナー。アイドルグループのライブには、各メンバーがそれぞれ一人で一曲を歌い踊ることもあるらしい。  夏陽いわく、メンバーのそれぞれがたった一人の独壇場となるそれは推しメンをたっぷり堪能できる絶好の機会だとか、ふだん知的紳士な藤波くんのはじめたラップがおがめる天国のようなパートだから特におすすめとか。いろいろと教えられたけど、リーダーの美谷島くんの聴かせるバラード、藤波くんの英語だらけの高速ラップのあとのステージを見たら、そんな情報のなにもかもがふっとんでしまった。  突如として真っ暗になった舞台に登場した大きなスクリーンは夜空を映している。紫色のネコのシルエットが駆け回り、月に向かってジャンプすると、ライオンの姿に変わった。そのとたん、雰囲気のあるサックスの音色が流れ出す。純のソロ曲『キャッツ・マスク』だ。  青のきらきらタキシードで登場した純は大舞台で一人歌い踊った。  それが――見ているとなんかみょうな心地になる。  歌も踊りもめちゃうまいし、衣装もしゃくだけど華やかな顔立ちにかなり似合っている。
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