Act7.初デートはホラーグッズショップ

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「書いてる小説の中の、登場人物の死神少年。あのキャラクターの外見の描写に、いまいちなっとくいってなくて」  死神が持っていそうなグッズやファッションを見て、ヒーローのイメージを膨らませたいのだ。つまり、取材だ。  すでに出口に向けて数歩歩き出していた純が、コウモリのゲテモノでも食べた顔をした。 「……そういうこと言われたら、つきあわないわけいかないじゃねーか」  よし。  さっそく意識を集中させて、商品を物色していくと、洋服のコーナーでいいものを見つけた。 「純、これ着てみて!」  自分の顔が恐ろしく伸びて見える鏡に不可思議そうに見入っていた純が、ん、と鏡の中とは似ても似つかない端正な顔を向けた。
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