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そう言ってオシャレブティックのアクセサリーコーナーからとってきて彼が身に着けたのは、ぱっかり割れた二つの赤いりんごからどくろが顔を出してるネックレスだ。
「いい! おしゃれだし、怖い感じもでてる!」
あわてて持参した小さなノートにメモする。
えーとサツマイモ色の羽織りものに、ねずみ色のズボン。
「なぁおい。受け狙いでやってんのか?」
後ろからのぞき込んだ純が、ちょっと呆れたように言う。
「え? メモとっただけの一連の動作のどこに笑える要素があるの?」
「サツマイモ色とかねずみ色とか、しまいには、羽織りもの? お前はおばあちゃんか」
あぁ。言われてみればちょっと表現が古風だったかな。
「でも間違ってないよね?」
純は一つ咳払いすると、ぐっと右手を掲げ、モデルのようなポージングをとる。
「いいか。その物語のヒーローが一路純並みのハイスペックなやつなら、これはダークレッドのアウターに、グレイのスラックスだ」
おぉ……!
言い方を変えるだけでこうもおしゃれになるとは。横文字万歳!
「ええと、もう一回言って。なんだっけ。あんたー、りらっくす?」
「励ましてどうする」
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