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「でもやっぱり一番は藤波くんかなー。きゃっ、でてきた!」
画面に推しメンが登場したらしく、さっきまであたしの話題に熱心だった夏陽がそっちに食いついてしまったので、しかたなく一人、ぼんやり考える。
この地球上のどこかから、読者さんがくれた言葉。
しびれました。
たったそれだけ。
でも、あたたかな気持ちが満ちてくる。
元気が出たとは書いていないけど。
自分の書いた小説で誰かが少しでもなにかを想ってくれた。
はじめての経験に走り出したくなるような気持ちを、クッキーと一緒にかみしめる。
「その人、また読んでくれるといいね」
CMが終わると同時にソファからちょこんと顔をこっちに傾けて、夏陽が言った。
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