1F原発復旧3号機カバー酔夢譚

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 原発作業従事者の被ばく管理は中央登録が一元的に行っている。併せて電力会社に作業者証を発行してもらう。そういう事務業務を専門で行う事務放管がある。3号機JVは事務放管のできる経験者を雇ったが急場拵えで作業員を集めているので電力会社も業務進行が遅れて、手続きに二週間ほどかかった。その間は作業員には日当、職員にも日割りの給料を払う。しかし日当もらってもなにもすることがないのは人間は一番苦手であり苦痛だ。避難者が補償金もらってもストレスで病気になったりするのと同じだ。  何もせずに一週間も経った。JV職員のなかで佐木っつぁんは武道の猛者で、力ずくで事務手続きが進むんではないかと思い、事務放管に怒鳴り込んだ。事務放管手続きは女性が数人でやっており、彼女たちは放管手続きの経験者で中央登録から電力会社登録そして放管手帳発行までと原発への入構証発行までを行い、原発で作業するためのAB教育、新規入所時教育の申し込みまで行う。専任の経験者でなければ進まないので経験のあるいわき市在住の事務員を募集して集めた。
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