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私は陰陽師失格なのだと思う。たぶん。
もちろん自己嫌悪とか病みとかそういうものではない。
毎日のお兄ちゃんとの帰り道デートは楽しいし、
最近お気に入りの三笠ちゃんの両親が経営している「cafe天乃」のスイーツだってすごく美味しい。
千葉県の陰陽師のみんなだって大好きだし、華白さんともプリクラ撮る約束してるし、カモネギ…じゃなかった、兄弟だって私から見ればまだまだかわいいガキだ。
ただ、今回の考え方は、その楽しいことたちとは違う。
単純に「陰陽師の仕事を果たしていない」のだ。
理由なんて明確だ。
「…おはよ、桜咲さん」
「…………」
となりの席の同級生____〝呪鬼〟である「魁水頼」を、同意の上で生かしているから。
「………うん、おはよう」
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