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その教師はPという名前だったが、クラス担任の高岡先生の話によると学生時代は酒をよく飲んでいたらしかった。大酒飲みの教師らしい。
「話は聞いた」校長は声をかけてくれたのであった。
「はい」
「クビにする」
「そしたらどうなるのですか? P先生は」
「君のお父さんのところで働きたがっているらしい」
「大工ですが」
「就職するということだな」
「そうですか」
学校の教室で話して、校長は朗らかだったのだ。
その時北風の音が聞こえたが、まるで僕を脅しているかのような気はした。
「P君は君のお父さんに多くを勉強させられるだろう」
「ありがとうございます」
「体調はどうですか?」
「僕より中山の方が大変です」
「どうした?」
「風邪をひいたらしいです」
「それは大変だな」
「違法行為ですよ」
「これから会議を開く」
「P先生のことですか?」
「そうだ、ほかにもあるけれど」
「お願いします」
「任せておけ」
校長は校長室に戻ったのだ。
「いいのかな?」僕はPの処分は正しいのか間違いなのか人に聞かれたら答える自信はなかった。
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