16.会いに行くよ。

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「行動しねぇと、願望って叶わないんだぜ?」 「……っ、知ってる、けど」 「じゃあお前は行かなきゃだめだ」  柿田は珍しく真面目な顔で続ける。 「宗田の想い人がどんな人かとか、どうして会えないのかとか知らんけど……そんな思い詰めた顔してんだったら、ちゃんと会いに行ったほうがいいと思うぜ」 「それ、俺も思う」  亀広も大きく頷いた。 「ほんとは俺たちだって、太地のこんな話を聞けて嬉しいし、思いっきり揚げ足取ったり、からかったりしたいんだよ!」 「お前サイテーだな!」 「でも、できないんだよ!」  俺のツッコミに被せるように、亀広が言った。 「だってお前の今の心境とかって、色々とガチなやつだろ?」 「ガチとか、違うとかあんのかよ……」  俺はそう呟いたあと、ふと聞いてみる。 「え、待って。二人してそんなに言うって……俺、そんなにひどい顔してた?」 「うん、してたな」 「明らかにしていた」 「からかえないくらい落ち込んでるように見える」  まじかよ。俺は苦笑いする。 「んじゃあ、決定だな」  亀広が言った。 「俺たちは来たる修学旅行でへ一緒に回る! そして必ずや太地と想い人の再会を実現させる!」  想い人って――。さっきからその表現、ずっと恥ずかしかった。でも、そのとおりだとも思う。  俺はサワメのことを、想ってしまっているから。 「よし」  柿田が俺の手を取った。
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