Prologue

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Prologue

 夏の終わりの黄昏時に、  俺は人生初のキスをした。  当時の俺は、よく分かっていなかった。  なんで自分は目の前にいた“アイツ”の唇に触れたいなんて思ったのか。  だけど今なら分かる。  “アイツ”が、愛おしかったから。  とてつもなく愛おしくて。  失いたくなかったからなんだ――――。   *  これは  高校二年生だった俺が経験した  かけがえのない、ひと夏の物語。
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