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「ごめんなさいごめんなさい。ずっと言えてなくてごめんなさい、お別れの直前になっちゃってごめんなさい」
サワメは、ぼろぼろと大粒の涙をこぼす。
「ごめんなさいごめんなさい」
その小さな手で顔を覆って、ただひたすらに謝罪の言葉を吐き続ける美少女。――俺は無意識的に、彼女に駆け寄った。
サワメの手首を掴んで引き、彼女の瞳を真正面から見る。
やっとのことで、声を出して。
「――サワメっ!」
彼女の名を、呼ぶ。
なぁ、サワメ。俺は、俺はさ。
「……謝ってほしいわけじゃ、ねぇんだ!」
心の底からの本音を、絞り出すような声で伝える。
「俺も、サワメと一緒に居るの、まじで楽しくてさ。ほんとに、……まじで。最初出会ったときはさ、常識外れな女だな、お前誰だよ的な感じだったけど」
今は。
「俺だって……サワメとさよならなんて嫌だよ」
だから、謝るんじゃなくてさ。
お願いだから。
サワメ――君の言葉で。
「話を、聞かせてくれ」
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