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「こういう店、行くんだ」
弘典は剛士を責めるように見る。
「ちがうんだよ、会社の付き合いで無理矢理連れていかれて」
「行ってみたら楽しかった? こんなのもらってんだもんな」
弘典は、2本の指で、汚らしいものを触るようにその名刺を吊るす。
「いやもう全然……なにしてたらいいんだかわかんないし、名刺も、渡されちゃったら断るわけにもいかなくて……」
全部本当のことなのだが、言えば言うほど嘘くさい。
「言い訳くさいな」
思っていた通りのことを言われた。
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