水割りは2cm

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「本当に無理矢理だったんだよな……?」  弘典が剛士に詰め寄る。剛士の胸に人差し指を伸ばし、とん、と押した。「当たり前だろ」剛士が答える。  弘典のじっと見上げる視線が、剛士の首のあたりをさまよう。首とかシャツの襟とかどうにかなってるだろうか? やましいところはないのになぜか緊張してしまう。その間も、弘典の指が剛士のみぞおちのあたりをぐりぐりとしている。 「……ま、いいや」弘典は言いながら背を向ける。  剛士が胸をなでおろすと「俺にもキャバクラどんなか経験させてよ」と弘典は言った。 「え!?」  剛士は思わず驚きの声を上げた。弘典の顔は見えないが意地悪な顔をしているだろう。
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