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彼氏
次の日、彼氏がマンションに遊びに来た。
ピンポーン。彼氏がモニターに映ったのを確認して、開錠ボタンを押す。ドアを少しだけ開けて玄関で待つことにした。
「芽依、久しぶり! 元気にしてた?」
「うん、健介はどんな感じ? まあ入って入って」
世間話をした後、例の坂畑さんの話をすることになった。
「そういえば、本屋で会った男の人なんだけど、ちょっと話しただけなのに私の会社の前で待ち伏せしたり、駅の改札で連絡先渡してきたりしたんだよね」
「そんなことあったの? それストーカーじゃん」
「何でストーカーされたのかわからないんだよね。どうすれば良かったんだろう」
「いや、どうしようもないな…… 遠距離じゃなかったら僕が守ってあげられるんだけど」
「そうだよね。でも最近は同僚の美智と一緒に帰ってるから大丈夫だと思う」
「それなら良かったけど、このマンションはバレてないよな?」
「それもわからない。一回尾行?されているって思った時があったけど、結局証拠は掴めなかったし」
「もし本当にストーカーされていたらこのマンションに住んでることだけじゃなくて、部屋も突き止められているかもしれないな」
「そうだとしてもオートロックだし、ここまで来れるわけないよ」
「いやでも、オートロックでもここの住民と一緒に入るっていう手もあるだろ」
「まあそうだけど……」
「どっちにしろ引っ越した方がいいかもな。僕ももうすぐこっちに戻って来るし、一緒に住むことにしないか?」
「えっ、本当に? それなら安心だなあ」
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