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デリバリー
ピンポーン。モニターに人が映し出される。
「あっ、ピザのデリバリーだ。僕出るよ」
「ありがとう、机の上片付けておくね」
彼がピザを受け取っている姿が見える。こっちに向かってくる彼の顔が少し不安げなのは何故だろう。
「下に怪しい人がいたって、デリバリーのお兄さんが教えてくれた。ポストの中を漁っていたらしい」
「それは怖いね。何でそんなことしているんだろう」
「ここに住んでいる誰かを探しているのかな？ 芽依、ちゃんとポストは定期的に見るようにしてる？」
「毎日は見てない。大丈夫かな……」
「まあ今日は僕がいるから何かあっても大丈夫だと思うけど」
「うん……」
何となく嫌な予感がして、心がざわめいた。ただ確信はできない。何も起こらないことを願うばかりだ。
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