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お昼休憩
私は会社でのお昼ご飯は、基本的にはお弁当を持って行くのだが、週に1回は同僚と外食することにしていた。そして今日はその外食日だったので、昼休みになると同僚と外に出たのだった。
このレストランはどこにあるんだろう、このランチセット美味しそうだねなんて同僚と話していると後ろから声をかけられた。
「棚野さん! 今からお昼ご飯ですか? 僕と一緒に食べませんか?」
私は身震いした。何でこの人がここにいるのという目で相手を見てしまう。えっ、坂畑さん何で……
「この人誰? 棚野さんの友達?」
同僚が声を発して初めて意識が現実に戻って来た。
「本屋でたまに会う人かな……」
そこで同僚は何かに気づいてくれたのか坂畑さんに強気に出てくれた。
「棚野さんは今日私とお昼ご飯に行くので、ごめんなさい。じゃあ失礼します」
同僚は私の手を引っ張って会社の方に歩いて行く。
「ごめん、ありがとう……何であの人が私の勤めている会社を知っているのかわからないんだけど」
「そんなの尾行すればわかったりするでしょ。芽依、これから気をつけなよ。相手は何をしてくるかわからないんだから」
心強い同僚がいて良かったと思いつつ、坂畑さんの行動が怖くてぞっとしてしまうのだった。
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