改札

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 私はしばらく春夏秋冬には行かないことにした。何と言っても坂畑さんに会うのが嫌だったのだ。もうされているのだろうけど、もしまたストーカーとかされたらどうしようなどと考えてしまう。  そもそも何で坂畑さんに目をつけられてしまったのだろう。できればしばらく会いたくないな。  仕事が終わるとすぐに帰ることにして、駅まで早足で歩いた。そして駅の改札に着いた時だった。私の肩に誰かの手が触れたのを感じた。背筋がぞくっとしてすぐさま振り返った。 「棚野さん、いつも仕事はこの時間に終わるんですか? 今日は何で春夏秋冬に来なかったんですか?」  咄嗟の反応だったので、坂畑さんに対して少し嫌悪感の混じった瞳で見てしまった。 「坂畑さんこそ何でここにいるんですか? すごく驚いたんですけれど」 「いや、棚野さんと話したかっただけです。あと、これ僕の連絡先です。棚野さんのも教えてもらえませんか?」 「あ、えっと、ごめんなさい。今スマホ買い替えたところで、色々と変更したので……」  見え透いた嘘だがどうしても連絡先を交換したくなかったのだ。 「わかりました……じゃあ連絡くれるのを待ってます」 「はい、ではまた」  私は少し嫌な予感がしたのだが、特に何をすることもなく帰宅した。
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