春夏秋冬

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春夏秋冬

 私は棚野芽依という名前で25歳である。一般企業でOLとして働いている。身長155cm、顔も平均的な感じで、頭も良いわけじゃない。そんな平凡な私の毎週の楽しみは本屋に通うことだ。  会社の最寄駅の近くのビルに入っている本屋を見つけたのは今年に入ってからだ。今まで違う道を通って通勤していたので、ビルの存在に気づかなかったのだ。  いつも通っていた道が道路工事で通れなかったので、仕方なく他の道を通るしかなく、渋々歩いているとビルの看板に春夏秋冬という文字が見えた。  春夏秋冬って何だろうと思って看板を近くで見てみると書店と書いてあった。本屋巡りが好きな私はこの機会を逃すまいと思って早速ビルに入ることにした。  春夏秋冬はビルの2階にあって、見かけによらず広い書店で品揃えも良さそうだった。迷うことなく文庫本の新刊コーナーで立ち止まった。  最近この作家さんが人気らしいけど読んでみようかなとか考える。気になる本を一冊ずつ手に取っていると気づけば1時間が経っていた。  また明日も来ようと心に決めて私は帰路に着いた。
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