スーパーに集う魔術師達

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スーパーに集う魔術師達

「えーっと、後は……」  鶏肉に豚肉。   野菜も一週間分カゴに入れた。  冷凍食品も幾つか見繕ったし……。 「アイスでも買っとくか。 確か、こっちに……」  と、バラエティパックのアイスを何個かぶちこみ、たまたま見かけた美味しそうなポテトチップスを手に取った、その時。 「む……?」 「……げっ」 「おっ! 宗十郎ちんじゃーん。 おぃーっす。 元気してたー?」  やな奴らと鉢合わせしてしまった。  魔術師協会の同僚、鋼の魔術師ことシックザールと、爆炎の異名を持つチャラ男、征也。  それと、もう一人。  現役魔術師の中でトップクラスの実力と、まことしやかに囁かれる少女。 「まさかこんな所で会うとは思わなかったぞ。 機構の魔術師、麻木宗十郎。 息災か?」  刃の魔術師、藤堂伽凛とまさかこんな辺鄙なスーパーで遭遇するとは思いもよらなかった。 今日の晩御飯はおでんなのか、カゴにおでんの具材が敷き詰められている。  なんというミスマッチ。  藤堂のイメージと合わない。 「あんたら、三人揃って何してんだ。 特級魔術師三人が集団行動してるとか、物々しすぎんだろ。 シックザールだけでも威圧感半端ないのに、伽凛まで居たら一般人怖がっちまうぞ」 「失礼な、これでも自分は女だぞ。 強面のシックザールや軟派な征也はともかく、自分が怖がられる筈があるまい」 「そう思ってんのは藤堂だけだと思うけど。 ほら、見てみ? お前の顔見て子供が泣きそうになってるぞ」 「…………」  藤堂は仏頂面な上に、目付きも鋭くて威圧感があるからな。  子供でなくともビビる。 「話は変わるが、今もあのPMCに身を寄せているのか?」 「ああ、まあね」 「……そろそろ戻ってきてはどうだ? お前の席はずっと空けてある。 お前にその気があれば直ぐにでも……」  シックザールは俺の為に言ってくれているんだろうが、余計なお世話だ。  まだ戻るわけにはいかない。   「冗談だろ。 アリス無しじゃまともに魔術を使えない出来損ないが、戻ったところでどう役に立つってんだ。 悪いが俺は戻る気はない、金輪際な」 「確かに機械のサポートが無いお前は、初級魔法すら扱えない欠陥魔術師だ」  誰が欠陥だ、誰が。  
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