10人が本棚に入れています
本棚に追加
「予想はしてたが、やっぱりこうなったか。 ……なら仕方ない。 ライネ、やるぞ」
「んっ、了解! そんじゃ……てやあっ!」
先手必勝が信条のライネは、指示を受けると同時に飛びかかる。
が。
「あっ! ごめん、そうちゃん! 避けられちゃった! フォローお願い!」
カッパはライネの電撃パンチを軽々とジャンプで回避。
お返しと言わんばかりに水鉄砲を口から発射してきた。
カッパの水鉄砲は岩をも貫く威力を有している。
危険極まりない代物だ。
ライネの電磁バリアであれば防げるだろうが、念には念を入れておいた方が良いだろう。
「ああ、任された。 アリス、魔術補助プログラムを起動させろ」
ピピッ。
耳元の機械に指を添えながら声を上げると、サポートAIのアリスがシステムを即時起動。
「っ!」
一瞬身体に電流が走った後、システムと俺の魔術回路が連結した。
よし、これで……!
「防御用魔術障壁、アクティベート!」
「おお! ありがと、そうちゃん!」
なんとか間に合ったようで、ライネに攻撃が届く前になんとか防ぐことが出来た。
これで次に繋げられる。
「ライネ、今だ!」
「おっけー! そりゃ!」
大した跳躍力だが、空中に居る間はその身体能力も無意味。
羽でも生えてない限りはライネのかかと落としを避ける術はない。
「ぐげっ!」
案の定、ライネのかかと落としは脳天に炸裂。
カッパは地面に叩きつけられた。
ここからは俺の仕事だ。
そろそろ締めといこう。
「ぎぎ……」
立ち上がろうと踠くが、カッパは這いずるばかりで立ち上がれない。
俺はそんなカッパに複雑な気持ちを抱きながらも銃口を突き付け、トリガーにかけた指に力を込める。
そして……。
「チェックメイトだ、安らかに眠ってくれ」
手向けの言葉を口にした直後────パンッ。
トリガーを引き、カッパの脳天を銃弾で貫いた。
せめてこれが救いになるように、と。
最初のコメントを投稿しよう!