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「沙夜。 弱小民間軍事会社とはいえ、一応お前もPMC連盟の一員なんだから、あの女なんて言い方は……」
「説教なら結構よ。 じゃっ」
「おい、沙夜! まだ話は……!」
バタン。
まだ説教の途中だと言うのに、沙夜はそそくさと行ってしまった。
これだから思春期真っ盛りのガキは……。
「ったく、沙夜のやつめ。 そんなんだからしょっぱい仕事しか回して貰えないんだろうが。 いつになったら大人になってくれるのかね、あいつは。 ライネもそう思うよな?」
「んー、ライネわかんなーい。 二人の話難しいもん」
「ああそう」
と、落胆するのも束の間。
沙夜からスマホにこんなメッセージが。
『今日はこのまま帰るからお客さん来たらよろしく。 依頼来たら多少グレーでも受けておいて。 犯罪じゃない限り、来る者拒まずがうちのポリシーだから。 追伸、唐揚げご馳走さま。 美味しかったわ』
げっ、マジか。
急いで冷蔵庫の中身を確認してみると、二人分の唐揚げが綺麗に平らげられていた。
どんだけ食うんだ、あいつ。
華奢な癖して。
「…………はぁ」
沙夜と組んでからストレスが溜まる一方だな。
そろそろ転属を考えるべきかもしれない。
「まあ、それが出来たらもうやってるんだけど」
「なにがぁ?」
「……いや、なんでもない。 ただの独り言だ。 それよりも、宿題は終わったのか?」
「うん、終わってるよー」
ホントだろうか。
すこぶる心配だ。
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