魔女にして魔女にあらず…?

1/7
4人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ

魔女にして魔女にあらず…?

『…てな訳で、そなたをこの魔女の国、我がマジョリナーサに置いておくことはできぬ。よって追放処分とする』 『そ、そんな…そんな些細(・・)な『訳』で…って、あッ、あれ~ぇ〜ッ…!』    …あれ~ぇ〜ッ…れ~ッ…〜ッ…  と、彼女…マジョリン・サーマが、そのマジョリナーサの元締めによって突き落とされた先は、ここ下界のある森の中でした。  そして、それから早くも数ヶ月が過ぎ… 「よ…っと」  魔女の必須アイテム、空飛ぶホウキでもって買い物に。あれから自身が暮らすようになった、この森の手前でもってマジョリンは、そのホウキから降りました。  そう、なにせ深い森ゆえ、枝葉の隙間がなく着陸が難しいので、そこからは徒歩で自宅へと向かうのです。  ともあれ、それから僅かな木漏れ日の下、その長い黒髪や、いかにもらしき黒装束、はたまた買い物袋など揺らしつつゆくことしばし。  やがて、その若き美貌の魔女の目に、なにやらぶら〜ん(・・・・)…と、ぶら下がるものが映りました。 「おぉ…っと、またかの。いんや、ここは本当に多いのう〜」  などとボヤきながら、ほどなく間近に。そこでマジョリンは、手中のホウキや買い物袋を、いったん足下に置きました。  そして、 「ミラクルミラクルイマニクル〜ッ…」  なんだか呪文のようなものを唱えれば、その木の枝にぶら下がっているものが、どさりと地へ落ちたではありませんか。    そうかと思うと、いまや地に横たわったそれ(・・)の状態を、しゃがみ込み込みチェックし始めます。 「う〜む、どうやらホヤホヤ(・・・・)のようじゃが、すでに息はないのう〜…」   いったい何のホヤホヤか、とにかく『それ』すなわち、若い男性の自〇体です。  が、そこで驚いていてはいけません。 「エコエコアザ…じゃなくって、エコエコエコカー…エコエコエコバッグ…エコエコ…」    さらにマジョリンが、あらたな呪文を唱えれば…
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!