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ところが、その純粋な若い妻は、航が望む様には染まらなかった。
ソースが何なのか、テレビなのか、友達からの電話なのか、子育てがひと段落した後に始めたパート先の同僚からなのか。
日に日に不平不満を口にするようになり、夫婦の関係は荒れて、とうとう修復の効かないところまで来たと、航は思い知らされたのだった。
そうして航は離婚した。
それで最近では正月だけ、普段寂しい時間を過ごす航は、こうして子供たちと再会するのが、恒例となったのである。
案外、子供たちは素直に育った。
航が子供の頃に描いていた家族像とはだいぶ違い、もちろん胸を張れることではないが、これもありなのだと思った。
元旦も終わり、二日には子供たちも揃って帰って行った。
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