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それから数年が経ち、倫太郎さんは医者になる為の学校へ、紳太郎さんは高等学校へ、通われるようになりました。
それでも紳太郎さんは、成長しても相変わらずで、学校から帰って来れば、「深雪、深雪!今、帰ったよ。」と、真っ先に私の元へ、駆けつけて下さいました。
そして、この頃からでしょうか。
5歳も年下の紳太郎さんに、心がときめくようになったのは。
紳太郎さんが、私に何か用があって、「深雪?」と名前を呼ばれると、心が弾みましたし。
仕事をしている時も、遠目に紳太郎さんを見つけては、飽きることなく見つめていました。
朝、学校へ送り出す時も、本当に寂しくて、仕方がなかったものです。
紳太郎さんはと言うと、もちろん私が、世話係りだから気を使って下さるだけで、私の事は、何とも思ってらっしゃらなかった。
それでも、私の事を見つけると、笑顔で手を振って下さるお優しい方でした。
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