深雪(みゆき)

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暇を頂きたいと願いを出した一週間後、旦那様は私を部屋に呼びました。 「旦那様、深雪です。」 「入りなさい。」 戸を開けた先には、倫太郎様と紳太郎様もいらっしゃいました。 「二人にも、深雪の事を話そうと思ってね。」 「はい……」 顔を上げなくても、倫太郎様と紳太郎様が、不思議がっているのが分かりました。 「実は深雪が、暇を欲しいと言ってきてるんだ。」 「えっ…」 声を上げたのは、紳太郎様の方でした。 「理由は……何なんですか?」 倫太郎様の声は、震えていらっしゃいました。 「……私事です。どうか、ご理解下さい。」 それだけ言いました。 「どうするか、おまえ達に任せよう。」 旦那様はそう、仰いました。 倫太郎様は、手を強く握りました。 「深雪が……そう望むのなら……」 自分の気持ちよりも、私の気持ちを尊重してくれる、倫太郎様らしい答えでした。
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