3人が本棚に入れています
本棚に追加
「そこでどうだろう。おまえに、息子の世話を頼みたいんだが……」
私は驚いて、返事もできずにいました。
「いいだろう。息子達はおまえに、よく懐いているようだし。」
「はい。」
懐いていると言っても、時々お話をさせて頂くだけ。
とんでもない事になったわ。
そう思いながら顔を上げて、ちらっとお子様たちを見ると、16歳になった倫太郎様と13歳になった紳太郎様が、顔を見合せて、笑っていらっしゃいました。
お二人とも、私がお世話係になったのが、とても嬉しいと言うような、表情をしてらしたんです。
「お前の申し出が通ってよかったな、紳太郎。」
「はい、兄さん。」
何のことか分からずに、目をパチクリさせていると、倫太郎さんが教えてくれました。
「世話係りに、深雪を推薦したのは、紳太郎なんだよ。」
「紳太郎さんが?」
そう言うと、紳太郎さんは無邪気な笑顔を、私に見せて下さったのです。
最初のコメントを投稿しよう!