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この日以降、私は会社が休みの日の前日夜に、『スナック秋桜』に顔を出すことが多くなった。
私がお店に入ると母が話し相手になってくれることが多かった。
母と私は、離れ離れになってからの23年間の空白を埋めるかのように語り合った。
お店に通うようになってから半年が過ぎた頃、私は母の家に遊びに行ったり、プライベートで外で食事したりするようになった。
いつの日か私は母のことを『お母さん』と呼ぶようになった。
私が26歳になった頃、1年程お付き合いした彼氏からプロポーズされて結婚することになった。
私は彼に私の事情を話していて、私は彼のことを母に紹介した。
また、結婚式と披露宴に母を招待して出席してもらった。
母と私は、普通の親子に戻ることができたような感じがしていた。
結婚して1年後に私は女の子を出産して、母にとっては初孫となった。
母は孫のことが可愛いようで、私が孫を連れて母の家に遊びに行くと母は孫の面倒をよく見てくれた。
私はベビー服のお腹の辺りのポケットで見つけた写真から母を探して、再会することができたことを神様に感謝する気持ちでいっぱいだった。
私はこれからも母との関係を大切にして、本当の親子としての幸せな時間、楽しい思い出をたくさん作って行こうと神様に誓った。
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