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おじいちゃん
「あッ、おじいちゃんからだわ」
私は祖父の岩爺を確認し笑みを浮かべた。
「どうぞ。私たちにお構いなく電話に出てください」
シャオランは遠慮がちに通話を促した。
「はァ……」
取り敢えずおじいちゃんの意見を伺おうと思いスマホをスピーカー機能にした。
「もしもし、おじいちゃん?」
『おおォ、咲耶か。どうじゃワシが居なくても達者にしておるか?』
「ええェッ、まァそうねェ。取り敢えず、元気だけど……」
私はチラッとネムたちの様子を伺った。二人とも寛いで泊まる気、満々だ。
『どうした。屋敷でなにかあったのか。咲耶?』
祖父は心配そうに訊いてきた。
「そうねェ……」私は躊躇いがちに応えた。
シャオランたちの事をなんて報告すれば良いのだろうか。
すると真正面に座るネムが前かがみになって挨拶をした。
「あ、夜分遅くお邪魔しております。わたくしはネムと申します」
「AI搭載の女子高生、シャオランです」
傍らからシャオランも挨拶をした。
『はァ、女子高生?』
おじいちゃんも電話の向こうで驚いているようだ。
「ハイ、このほど咲耶さんにAI搭載の女子高生が当たりまして」
ネムが説明を加えた。
『フォッフォフォッ、グリコのオマケか?』
おじいちゃんはボケをかました。
「いやいや、グリコのオマケに女子高生が当たるか。マイナンバーロトとか言うのだよ」
すぐさま私はおじいちゃんのボケにツッコんだ。
『マイナンバーロト?』
「ハイ、このたび、めでたくAI搭載の女子高生が当たったので夜分遅くお届けに参りました」
ネムは悪徳セールスマンみたいに流暢に説明をした。
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