第8話 突然のカミングアウト(6)

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 玄関先で恭介を見送ったあと、侑人はベランダにいる高山のもとへ足を運ぶ。  高山は背を向け、手すりに寄りかかりながら煙草を吸っていた。こちらが声をかけると、すぐに振り向いて柔らかく微笑んでくる。 「お疲れさん。丸く収まってよかったな」 「あー、もしかして聞こえてた?」  隣まで歩みを進めて、侑人も手すりにもたれかかる。  高山は煙草を咥えながら笑みを深め、いたずらっぽく言葉を返してきた。 「まさか、あそこまで言ってくれるとはな」 「そ、それ言ったら、あんたの方がよっぽどだろ。あんな恥ずかしい台詞、よく言えるよな」 「俺は誠意をもって、思ってることを口にしただけだ。……ま、お義兄さんには『侑人のこと傷つけたら、気絶するまでぶん殴る』って脅されたが」 「兄さん~っ!」  侑人は頭を抱える。その姿を見て、高山はおかしそうに笑っていた。 「安心しろよ、そんなことにはならないから」 「……本当に?」 「ああ。誓ってもいいぜ」  言って、頭の上に手を置いてくる。ぽんぽんと優しく撫でられたあと、そのまま引き寄せられて軽く唇が重なった。
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