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第8話 突然のカミングアウト(7)
「ん、っふ――」
ちゅ、ちゅっと啄むような口づけが繰り返されるうちに物足りなくなり、自ら歯列を割って舌を滑り込ませる。すると、すぐに高山の舌が絡みついてきて強く吸われた。
そのまま何度も角度を変えて貪られ、次第に頭がぼうっとしてくる。
(……キスだけで蕩けそう)
高山とのキスはいつだって刺激的だ。ヤニ臭さと、何とも言えぬケミカルな味。どこかピリピリと舌が痺れるような感覚――。
不味いと思いながらもやめられない。それどころか、今ではすっかりクセになっている気さえする。
もっと味わいたくて積極的に舌を絡めれば、それに応えるように深く口づけられた。舌裏や上顎をねっとりと舐められ、侑人はたまらずに高山のシャツを掴む。
「ん……は、っ」
「侑人」
キスの合間に名前を呼ばれて、背筋がぞくりとした。熱い吐息混じりの声色に腰が砕けそうになってしまう。
気持ちいい。もっと欲しい。そんな欲求に支配されていくのがわかる。
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