第9話 結婚式と、それから…(1)

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「そ、それはさすがに言いすぎだろ。高山さんの方が何倍も似合ってるってのに」  言いつつ、あらためて自分たちの格好を見直した。クラシカルなタキシードに、ベストとボウタイを合わせたスタイルは、いかにも新郎といった美しい装いである。  ただやはりと言うべきか、顔立ちといいスタイルといい、高山には到底及ばない。高山のタキシード姿はあまりにも様になっていて、ついドキリとしてしまうものがあった。 「そうか? まあ、確かになかなか男前かもな」 「自分で言うなって……でも、本当に格好いいよ」 「はは、ありがとな。――っと、そろそろ時間だ。行こうぜ」  そうこうやり取りをしているうちにも、挙式の時間が迫ってきていた。促されて歩き出せば、高山は侑人の腰に手を回してくる。  エスコートしてくれるのは嬉しいのだが、妙に気恥ずかしくて落ち着かない。もちろん風土の違いとして偏見の目は一切なく、現地の人々は「おめでとう!」と祝福してくれたものの、それとこれとは別問題である。
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