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(う、わっ)
足を踏み入れた途端、ぶわりと感動が押し寄せてくるのを感じた。
緊張しながらも高山のエスコートでバージンロードを歩き、一歩一歩と進みながら祭壇までたどり着く。
厳かな雰囲気の中、式は粛々と進んでいった。牧師による開式の辞から始まり、順番に結婚の誓約を交わす。
心臓が高鳴って手足も緊張で震えていたが、それも最初のうちだけだった。高山と手を重ねながら見つめ合えば、自然と気持ちが落ち着いていくのを感じた。
「I do.《誓います》」
牧師の問いかけにそう答え、誓いの言葉を復唱する。いついかなるときも互いを愛し、人生のあらゆる面で支え合うことを約束する。
そうして、感動の瞬間。指輪の交換へと至ったのだった。
「――……」
高山がリングピローから指輪を摘み上げ、侑人もそれに合わせて左手を差し出す。
二人が選んだのは、永遠の象徴であるメビウスの輪がモチーフのプラチナリングだ。シンプルなデザインでありながらも上品な輝きを放ち、内側には互いのイニシャルと今日の日付が刻印されている。
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