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第9話 結婚式と、それから…(3)★
挙式後はチャペルに併設されている会場でレセプションを開き、さらにはプランナーの案内でビーチや公園を巡って、ウェディングフォトを撮影した。
今日はとにかく朝から忙しい一日だった。遅い夕食をとったあと、ようやくホテルまで戻ってきて人心地つく。
さすがにもうクタクタだ。二人はタキシードから着替えることもなく、ソファーの背もたれに大きく寄りかかるようにして座った。
「さっすがに疲れたなあ」
「高山さん、重いっての……っ」
もたれかかってくる高山に対して苦言するも、侑人は心地のいい疲労感に浸る。挙式してからというもの、ずっと幸せな気持ちでいっぱいだった。
「本当によかったな、無事に終わって。――今までで最高の一日だった」
高山の言葉に侑人も頷く。
「うん、俺もそう思う。すっげえ幸せ……」
「だな」
高山は相槌を打ってこちらを覗き込んできた。視線が絡み合うなり、どちらからともなく唇を重ねる。
「……ん」
挙式中もこうしてキスを交わしたけれど、今しているのとはまったく別物だ。角度を変えながら何度も啄んで、甘くて濃厚なキスに酔いしれる。
次第に高山の手が胸元をまさぐり始め、体が熱くなってくるのを感じた。
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