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第9話 結婚式と、それから…(4)★
「ああ。ちょうど目に入って――ほら、動画撮るのもいいんじゃないかってな。思い出はなるべく残しておきたいだろ?」
と、可動式モニターを反転させる。
そこには唖然とする侑人の姿が映っていた。もう動画撮影モードに切り替わっているのだろう、録画中を示す《REC》という文字が表示されていてギクリとする。
「さ……最悪っ! このエロオヤジ!」
「おー、その感じ久々だな」
「なにが思い出だよ! これ、普通にハメ撮りだろ!?」
「まあ、そうとも言うかもな」
「そうとしか言わねーよ! 変態!」
困惑と羞恥がない交ぜになった感情をぶつけるも、高山はどこ吹く風だ。再びソファーに腰掛けると、こちらの体を抱きすくめて膝の上へと座らせる。
「どうせ大してバッテリーもたないし、いいだろ?」
「『大して』って、どれくらい?」
「だいたい三十分くらいか?」
「〜〜っ!」
「あーわかったわかった。ちょっと撮ったら止めてやるよ」
ジタバタと暴れてみせれば、宥めるような口づけを数度繰り返された。侑人は抵抗をやめて高山の顔を見上げる。
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