第9話 結婚式と、それから…(8)

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 こちらの言葉をなぞらえるように口にする高山。その眼差しには確かな愛情が宿っていて、胸がじんわりと温かくなるのを感じた。 「うん――」  そう、自分たちにはまだ多くの時間がある。これから何十年もの間、生涯をともにすると決めたのだから。  侑人は頷き返すと、満面の笑みを浮かべる。  その健やかなるときも病めるときも、どうか末永く。祈りにも似た思いを抱きながら、愛しい人の胸へと飛び込んだのだった。
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