番外編 寂しがり屋のひとりえっち♡(1)

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    ◇  数週間後、高山は出張先であるロサンゼルスへと旅立った。  最初のうちは、侑人も平然としていたものだったが、 「……二週間ってこんなに長かったっけ」  シャワーを終えて、濡れた髪をタオルで拭きながら呟く。  一人きりの部屋はやけに広く感じられたし、話し相手もいないため静かだ。食事もどこか味気なければ、テレビをつけても興味を惹く番組もなく、BGM代わりに流しておくだけになってしまった。  もちろんのこと、高山は頻繁に連絡してくれていたものの、なんせ十七時間の時差がある。あちらが夜なら、こちらは昼間だったりとなかなかタイミングが合わない。  そんなこんなで次第に寂しさを覚えるようになって、今ではこのありさまだ。  たかが二週間、されど二週間。二人でいる日常に慣れてしまったぶん、会えないものはやはり寂しい。 (でも……やっと、今日帰ってくる)
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