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(ちょっと前のことなのに、なんだか懐かしいな)
どの写真にも幸せそうな二人の姿が写っており、思わず笑みがこぼれる。挙式当日の緊張や感動が蘇ってきて、見ているだけで心が温かくなるようだった。
また、高山にしても同じ感想を抱いていたのだろう。
「――俺さ、侑人と一緒になれてよかった」
そう切り出されて顔を上げれば、穏やかな眼差しが向けられていた。
「結婚して何かが変わったわけでもないけど。お前といると、楽しくて幸せだと思う」
こちらの頬に触れながら、高山が続ける。
突然の言葉に侑人は動揺した。触れられた箇所から熱が広がっていく感覚を覚え、じわじわと顔が赤らんでいく。
「な、なんだよ。突然、恥ずかしいこと言いだして」
「ふと思っただけだよ。『あー幸せだなあ』って」
言って、腕を回して抱き寄せてくる。侑人はますます赤面しながらも、大人しくその腕の中に収まった。
「……まあ確かに。結婚したからって変わらないよな、俺ら」
「おい、そこだけ変に拾うなよ」
高山が苦笑を浮かべる。が、気にせず続けてやった。
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