番外編2 一生の思い出をともに

2/4
前へ
/243ページ
次へ
(ちょっと前のことなのに、なんだか懐かしいな)  どの写真にも幸せそうな二人の姿が写っており、思わず笑みがこぼれる。挙式当日の緊張や感動が蘇ってきて、見ているだけで心が温かくなるようだった。  また、高山にしても同じ感想を抱いていたのだろう。 「――俺さ、侑人と一緒になれてよかった」  そう切り出されて顔を上げれば、穏やかな眼差しが向けられていた。 「結婚して何かが変わったわけでもないけど。お前といると、楽しくて幸せだと思う」  こちらの頬に触れながら、高山が続ける。  突然の言葉に侑人は動揺した。触れられた箇所から熱が広がっていく感覚を覚え、じわじわと顔が赤らんでいく。 「な、なんだよ。突然、恥ずかしいこと言いだして」 「ふと思っただけだよ。『あー幸せだなあ』って」  言って、腕を回して抱き寄せてくる。侑人はますます赤面しながらも、大人しくその腕の中に収まった。 「……まあ確かに。結婚したからって変わらないよな、俺ら」 「おい、そこだけ変に拾うなよ」  高山が苦笑を浮かべる。が、気にせず続けてやった。
/243ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1603人が本棚に入れています
本棚に追加