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高山は見透かしているように笑い、うなじに舌を這わせてきた。侑人が小さく身を震わせると気をよくしたのか、今度は耳朶を甘噛みしてくる。
「あっ、耳やだって」
「敏感だもんな。こうして可愛がってやると、すぐ後ろが締まりやがる」
「は、あんっ、言うな……あ」
耳朶をねっとり舐め上げられ、ぴちゃりと唾液の音が響いた。同時に中の指も動かしてくるものだから、侑人はたまらず腰を浮かせる。
感じるのは、快感よりもじれったさだった。背後からだと逆手になってしまい、ピンポイントで好きなところに触れてもらえない。
(もっと、欲しいのに)
これでは焦らされているようなものだ。もどかしさから自ら腰を揺らせば、高山はククッと喉を鳴らした。
「ったく、やらしいな。腰なんて揺らして物足りないってか?」
「いちいちうるさ――ああっ!」
反論しようとするも、指を引き抜かれた拍子に甲高い嬌声へと変わってしまった。
高山は何ら気にせずアメニティの中からコンドームを手に取り、パッケージを荒っぽく歯で破る。肩越しに侑人が振り返れば、その口元がいやらしく歪んだ。
「何が欲しい?」
そう問いかけながらコンドームを装着する高山は、どこからどう見てもひどく楽しげである。
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