第1話 俺と結婚するか?(3)★

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 後背位から始まり、さまざまに体位を変えながら何度も求め合った結果、侑人はベッドの上でぐったりとしていた。全身汗やら何やらでベタベタと気持ち悪いし、喉もカラカラに渇いているものの起き上がる気力がない。 「ほら、水」  高山がミネラルウォーターのペットボトルを手渡してくれたけれど、涼しい顔をして煙草を吸っているあたり、何とも言えなさを感じてしまう。  侑人は勢いよく上体を起こし、喉を潤してから言い放った。 「あんたさ、煙草吸うのいい加減やめろよ」  が、相手は煙草を口に咥えたまま不敵に笑うだけだ。 「悪いな、吸わずにはいられないんだ。瀬名がストレス発散に抱かれたがるのと一緒」 「ヤニカスと一緒にすんな。なに、俺とセックスするとストレス溜まるわけ?」 「そういったことじゃないんだが。まあ、こいつは吸わないとわかんねえか。……あーそうだ。普段はクソ不味い煙草も、瀬名とヤッたあとだと美味く感じるからってのもある」 「……なんだよそれ、最悪。こっちはキスも不味くてかなわないのに」 「そう言うわりにはお前、拒まねえじゃん」
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