冬花side

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「ほら出た勉強しろってやつ!」 「お前このままじゃマジで留年だぞ?もっかい1年生やりたいんか?」 「ゲェッ!マジで!?」 「マジで。だから優しい優しいやっさし〜い先生が悩める可哀想な生徒のためにわざわざ貴重な自分の時間を割いて追試対策プリントっちゅうもんを作って来てやったんだぞ?ありがたく思って真面目に勉強してくれや」 そう言って松永先生はさっき睦美の頭を叩いたプリント用紙をはいと睦美に渡した。 「きゃ〜先生愛してる〜!」 「お〜う、愛せ愛せ、好きなだけとことん愛しながら勉強しろや。ほんじゃな」 ひらひらっと手を振って松永先生はまた教室を出て行ってしまった。 「愛する我が先生っ俺達にも対策プリントちょうだ〜い!!」と松永先生の後を同じクラスの赤点男子達が追いかけてった。 「赤点の人あんなに居たんだ…」 「だって今回の期末超むずかったじゃん。赤点免れたのふーちんとぎょぎょっちくらいだよ」 「ぎょ、ぎょぎょっち?」 「金魚(きんぎょ)君のこと。苗字が金魚だからぎょぎょっち」
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