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3話
――――……
「…………ん……?」
手の違和感で目が覚めた。
さっきまであんなに暑かったはずなのに、左手だけやけに暖かくて、それが心地よくて。
まるで誰かに手を握られているような…………
「?!」
ぱちりと目を開けると、そこは知らない天井だった。
家でもない。保健室でもない。
どこか知らない部屋の、ベッド。
ここは……?
「んあっ……?あ!!」
寝ぼけた声を出しながら起き上がったのは、楠玲央だった。
「かいちょー!!よかった!目が覚めた!!痛いところとかない??」
「え……えっと……?」
なぜ、金髪男が……?
「かいちょー、第二図書室で倒れたんだよ?それを俺が発見して、家まで連れて帰ってきたの。医者にも診てもらったけど、過労と栄養失調だろうってさ。あ、ご飯食べれる?ゼリーとか買ってきた「ちょっちょっちょ!!」
「……?あ、まだ食欲ない?でも駄目だよ食べなきゃ」
「そーじゃなくて!!」
「?」
「家?……って、ここが?あなたの?」
「うん。そうだよ」
「……まさか、一人暮らし……?」
男子高校生の部屋にしては殺風景すぎる。
というか、一人用の部屋にしては広すぎるような……
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