801号室

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 鼻先が触れ上唇を啄むと気が付けば互いに口を深く塞ぎあっていた。 口腔内で絡まる舌先、俺の指先は佐川さんの白いカッターシャツのボタンを胸元から一つ、そしてまたひとつと外していった。その間も彼女はそれを拒む事なく舌先で俺の下唇を舐め、上唇を舐め、舌の上を舐めた。快感で後頭部がヒリヒリと痺れた。 「あ」  全てのボタンが取り払われると、白に水色の花柄の刺繍が施されたブラジャーが顕になった。胸の谷間は吸い込まれそうに深く、その豊かさを物語っていた。 「佐川さん、良い?」 「う、うん」  優しくなぞる、舐める、恥ずかしげな声が俺を誘った。 「ベッド、何処?」  同じマンション、同じ間取りだ。 聞くまでもないがそれを確認するために耳元で囁いた。佐川さんは隣の部屋を指差し、俺は自分のシャツを脱ぎ、ベルトを外してチャックを下ろした。彼女はその金属音を聞きながら全ての衣服、下着を脱いで自らベッドに横たわった。俺は無言でその身体に跨ると両の手のひらで豊かな乳房を弄った。緊張で強張っているのが分かった。 「もう、止めようか」 「やめない、このまま、やめないで」  飲んだ日本酒だけではない、薄暗闇の中の佐川さんの身体はほんのりと桜色をし、大きく息を吸い、大きく吐いた。それは準備が出来た合図だった。 「舐めるよ」  太ももに隙間が出来、膝を立てる。それはおずおずと開き始め、焦らされ感が興奮を呼んだ。俺の髪に埋めた佐川さんの指先に力が入り、堪えきれないくぐもった吐息が部屋に広がった。 「あ」  どうしてそうなったのかは覚えていない。身体が絡み合い、いつの間にか彼女が俺の上に跨っていた。 「さ、佐川さん!」 「あ、あ。」  俺は佐川さんの引き締まった腰を両手で掴み前後に揺さぶった。力無く揺れる豊満な胸、突き上げる衝動。限界が来る瞬間に自身を抜いた。 「ん、ん!さ、がわ、さ」  彼女のへその上に体液が飛び、俺はその一部始終をぼんやりと見下ろした。荒い息遣いが籠る。そっと口付けをしその隣に横たわる。しばらくしてティッシュを引き出す音が聞こえた。俺は佐川さんを抱き、そして瑠璃を裏切った。
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