あなたを奪いたいあなたに奪われたい月曜日の恋人

満島 瑠璃

満島 瑠璃(みつしまるり)

　共和保険　金沢支店勤務　事務職
　25歳

面長で色白、身長は165cm、細身。
髪の色は自然な栗色、胸までの長さで緩やかなウェーブを描いている。濃いふわりとしたアーチ型の眉、目は二重で黒目がちな瞳が印象的だ。鼻筋は通り唇は程よい厚みがある。

　奈良 建(ならたける)から告白され、付き合って一ヶ月で二年間の遠距離恋愛となってしまった。遠距離恋愛といっても異動先は石川県の隣県である富山県だ。
北陸新幹線に乗れば一時間弱、会いに行こうと思えばいつでも会えるがその微妙な距離感が二人を隔てていた。

　最初の一年間は、週末に石川県に帰って来た建と金沢駅周辺のシティホテルで熱い夜を過ごした。けれどそれも二年目に入る頃には二週間に一度、一ヶ月に一度と回数は減り、瑠璃はいっそのこと会社に異動願を出そうかと考えたほどだ。ただ、家族に恋人と一緒に居たいが為に富山県に行きたいとも言い出せず、建からもそんな話は一切出なかった。そのうちLINEの返信も滞り、既読が付かない夜が増えた。

「もしかしたら、結婚の事を話したからかな」

　五月の大型連休最終日、富山県に戻る建を見送った瑠璃は、北陸新幹線のホームで「結婚したらいつも一緒に居られるのに」そんな言葉を漏らしてしまった。建の表情が一瞬翳った。

「俺、まだ仕事に打ち込みたいんだわ」

　うっかり漏らしてしまった結婚の二文字、後悔しても今更遅い。瑠璃は建からの連絡が途絶えがちになった原因は自分に非があると思い込んでいた。