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第24話 酒の席にて
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私たちなりの七夕ということで、カナンと手紙を書き合った翌日、私はとても清々しい気持ちで一日を過ごすことができた。
この時期らしい蒸し暑さだったけど、仕事に行くときの足取りは軽かったと思うし、職場に着いてからもいつもより集中できたと思う。
それなりに忙しかったけれどミスなくこなせたし、家に帰るときもそれほど疲れを感じなかった。
それがカナンにもらった手紙の効果かどうかはわからないけれど、とにかく明るい気持ちでいられた。
帰ってきてからみんなで食べた夕食もおいしかったし、そのあと入ったお風呂も、いつもと変わらないはずなのにとても気持ちよかった。
そんな私は夏用のパジャマに身を包み、冷たいものを求めてリビングへと向かった。
本格的に暑くなったら、アイスを常備したいなと、そんなことを思いながら、リビングの扉を開く。
「あ、莉亜。おつかれー」
「それ、風呂上がりの人に言うこと?」
私を迎えてくれたのは、カナンと陸くんの二人だった。
もともと隣どうしだから違和感はないけど、大きなテーブルなのに二人でくっつくように並んでいて、本当に仲がいい姉弟みたいだと思った。
「二人は何してたの?」
私はこう問いかけつつ、台所へ向かった。コップに氷を入れてから、よく冷えた麦茶を注ぐ。
いつでも麦茶が用意されているこの環境、本当にありがたい。
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