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「あの、詩織」
「んー?」
テキパキと焚き火台を組み立て始めた詩織に、俺は懲りずに大声を浴びせる。
「大好きだっ!一生俺と一緒にいてくれぇー!!」
可哀想なくらいびっくりしているmy彼女。
あれ?
なんで俺、さっきからこんなにハイテンションなんだ?頭もフワフワしてまわらないし…………。
そんな俺の顔をのぞき込んできた詩織は、ふとマグカップの横に鎮座している瓶に目をとめると、あっと声を漏らした。
「これ、コーヒーカクテル!?」
え?
酒?
俺、飲酒しちゃったのか?
「そう……いえば。先月キャンプした時に珍しく父さんが酒買ってて……」
そうだ。
一人でコーヒーカクテルのミルク割りなんて作って飲んでたっけ。荷物に紛れていて、そのまま持ってきてしまったらしい。
「しお……り。俺は詩織を、本気で、愛して……」
「彰くんっ!?」
詩織が俺の身体を支えてくれた気がする。
が、ぐわんと首の力が抜けて満天の星を見たと同時に、意識が急速に遠のいて真っ暗闇が訪れた。
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