今日しか無い毎日の中で

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「父様ディルクを国外追放してください!こんな辱めを受けたのは初めてですわ!」 「しかし…ディルクが他国に渡るのは…うぅむ…」 「こんな国民の前で私はその下民に劣ると言われたのですよ!!?ヒッ…!」 姫は急に青ざめ、ディルクを見上げれば姫の方を向いている。 「どうしたら騎士団長で居てくれる」 「そうだな…新たな領地とそこの領主になる権利。それとこいつの身の安全の保証。それが無理なら俺はいつでもこの国を捨てる」 ディルクと国王のやり取りを皆見ていたが、国王はしばらく悩んだが深く息を吐いてそれを了承してしまった。これは…どういう事なのだろう?? 「父様!!私はそんなの許せませんわ!」 「ディルクを手放せばお前の姫としての立場が無くなっても仕方ないが…それでも追放するのか?」 国王に言われた姫は言葉に詰まり私を睨んだが、私はディルクを見上げる。どうしてこの人は私をこんなに手元に置きたがるのだろうか? 二人の結婚式が取りやめになり皆が帰り始め、姫は私をまた睨んで城へと戻ってゆく。私はこれからどうなってしまうのだろう…こんな事があっても私は今日という日を覚えていられないのだろう。 そのまま国王とディルクは謁見の間に入り、どこを貰うかと話していて私はその二人の話を聞くしか出来なかった。
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