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そのまま外に居て空を見上げれば、綺麗な星空が広がっている。そのまま見上げていれば賑やかになってきて、宴が終わったのか人々が出てきて帰ってゆく。
結局戻らなかったなと思いながら父様と一緒に帰って眠り、やはり翌日には何も覚えてはいなかった。
散歩をしていれば目の前で男の子が転んで泣いてしまったので、起こしてあげてしゃがんで砂を払って頭を撫でてあげていれば、ありがとと行って走って行ってしまった。
「また転ばなきゃ良いけど」
「優しいな」
立ち上がってポツリと言えば声が聞こえ、振り向けば騎士が立っている。無表情なその騎士は走り去った男の子の方を見ていて、私は邪魔なのかと道を譲れば見つめられている。
「ディルク様今日くらい休まれたら良いのに」
「そうですわ。お疲れでしょう」
女性達が寄ってきてディルクを取り囲んでいたが、私がその場を去ろうとしたら女性を退けて私の腕を掴んできた。
「ディルク…様…?」
「あ…いや…すまない」
「何か御用ですか?」
手を離されたので笑みを浮かべれば、片手で顔を覆って深い息を吐いている。どうしたのかと思っていれば、女性達がこちらを見ているにも関わらず私の腕を掴んで引いてゆく。
足早なディルクに小走りでついてゆく形になり、城の中へ連れていかれ更に部屋の中へ連れ込まれた。暖炉やベッドがあり、壁には剣を掛けておく場所があり鎧を置いておくような場所もある。ここは…ディルクの部屋なのだろう。
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