今日しか無い毎日の中で

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「外の空気吸いに行くんじゃないのか」 「あ、はい」 歩歩き出したディルクの後ろを着いて歩くが、城の中は豪華な装飾が施された調度品や絵画などもありやはり自分の家と比べ物にならないなと感じてしまう。 外へ出てディルクを見上げれば擦り傷が視界に入り、思わずそこに手を伸ばしてしまい微かに触れてしまっていた。そしてその手を掴まれ頬に触れさせられる。 「騎士団長が擦り傷を作ってくるなど愚かだと言いたいのか」 「いえ…いえそんなつもりは…」 真っ直ぐ見つめられ、私は首を振る。この人が騎士団長なのか…だから先頭を進んでいたのだろう…だからといって擦り傷だけで済んでいるのだから流石と言った方が良いのだろう。 「カッコ良くて素敵なお顔が勿体ないと…そう思ってしまって…」 「あんたも他の女達と同じ事を言うんだな」 手を離されディルクは踵を返して歩き始めてしまう。そう言われても本当に思った事だし、言葉にしたのだが彼を傷つけてしまったのだろうか。その事も明日になれば私は忘れてしまうのだろう… 「あんたは戻らないのか」 「私は他の方がみえたらその方と戻ります。不快な思いをさせた相手といるのは苦痛でしょう」 声をかけられ振り向いて申し訳なさそうに笑みを浮かべればディルクはそうかとだけ行って歩いて行ってしまった。私は彼を呼び出して傷つけてしまって…何をしているんだろう…
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