今日しか無い毎日の中で

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目を覚ました私の目に映ったのは、どこかの洞窟の中のようだった。壁には松明がかけられていて、その灯りのみしか光源が無さそうだった。 鉄の柵の中に後ろ手で縛られていて、口にも布が噛まされているが何も思い出せない。ただその事を恐ろしいと思わないのは、たぶん慣れてしまったからなのだろう。 どうやら私は眠って目が覚めると記憶が無くなるらしく、やっとそれを忘れなくなったのは何時だったか。それは思い出せないのだけれど。 話し声が近づいてきて明かりも近づいてきて、姿が見えたがいかにも盗賊といった風貌の男二人で私より体格もよく髭も生えている。 「綺麗な顔してんなぁ…遊んでも怒られないか?」 「良いね金さえ入れば死んでも良いだろ」 男達はそう言って牢の鍵を開け中へ入ってきて、私の服を掴んで無理矢理破り肌が顕にされる。怖い思い痛い思いをしても、どうせ私は忘れてしまえる。だから今無駄な抵抗をするくらいならさっさと終わらせてしまう方が良い。 口の布を外され起き上がらされたと思えば目の前に汚い肉棒が取り出され、ムワッと雄の臭いがして顔をそらしたが髪を掴まれ唇に押し付けられる。それだけでも吐き気がするが、無理矢理口内へ押し込まれ不味い味が口内に広がってゆく…
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