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「...何」
「あ、いや..いまからするんだな、って」
ジッと見ていたせいで視線に気付いた凛太郎が気恥ずかしそうに此方を見てくる。ゴムを付けた彼の性器は自分より二回り以上あって尻込みしてしまう。ここ迄きて怖くなってしまった俺は「...大き過ぎないか?」と聞いてしまった。小さい頃一緒にお風呂に入った時はもっとミニマムだった気が...。既に早速四つん這いになって見下ろしてきた凛太郎は拗ねた表情で「流石にもう止めないよ」と釘をさす様に言ってくる。いや、勿論自分だけ色々奉仕してもらっておいてやめるのはあまりにも自分勝手過ぎるし言うつもりもないが──それにしても大きい。大き過ぎる。
「...尻が裂ける..」
「お尻は元々避けてるよ」
消え入りそうな声で言うと、ぴしゃりと言い返されてしまった。覚悟が一向に決まらない自分の様子を眺めていた彼は少しの間を置いてギュッと抱き締めてくる。そして耳元で静かに「あのね」と柔らかい口調で話し始める。
「──いっぱい調べたんだ。男同士のエッチの仕方。繋がれる方法があると知った時、堪らなく嬉しかった」
「凛太郎..」
「今も夢なんじゃないかって思ってる。春にこうして触れられるなんて。何度も想像していた。何度も春の事を思って一人でシていた」
「....ん?」
今、何かとんでもない事を言っていた様な──
頭の中で危険信号が鳴り始める。自分の知らない見た事がない凛太郎が目の前にいる。動揺して硬直する自分をにっこりといつもみたいな満面の笑みで見つめて脚に触れてきた直後、いつの間にかあそこの手前に向けていた性器をぐにっと押し当て、次の瞬間ずぶずぶと中に押し込んでいった。
「なっ、まっ待って──っあ、」
──あっという間の出来事で、途端に中の圧迫感で軽く息が出来なくなってしまう。掠れたみっともない声が漏れた自分を見て、長く息を吐いた彼は「後もう少し..」と呟き、更に奥へ性器を押し込んだ。どうやらまだ奥に挿れる余裕があったらしい。俺には余裕なんてないのに..!
「..せめてっ...せめて挿れるよって一言くらいっ...言えよバカッ...っ!」
「──」
呼吸が上手く出来ないまま泣きながら必死に叫ぶ。頬を熱らせた凛太郎は汗を拭った後、そっと泣いていた自分の涙を拭う様に指を滑らせ、直後にギュッと力強く抱きついてきた。そして、まるで今迄の想いを噛み締める様にポツリと言った。
「ずっと...我慢していた。ずっと──こうしたかった、春」
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