第二章《二枚の依頼書と不協和音》

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第二章《二枚の依頼書と不協和音》

 ここは冒険者ギルド。この建物の中では、ドルバドスが険しい顔でカウンターの上にある二枚の依頼書を眺めていた。 (コリャ、どうみても片方は……)  そうドルバドスがみている片方は、捜索依頼である。そして、もう片方は人員要請の依頼だ。 (コルザ……アイツは、なんでこんなことを……昔は……)  そう思いながら、人員要請の方の依頼書を手に取り溜息を漏らす。  ――場面は変わり、ここはギルド内の入口付近――  私はグレイとムドルさんのあとからギルドの中に入る。そのあとからメーメルが入ってきた。  ギルドの中を見回してみる。なんか、さっき来た時とは雰囲気が違う気がした。  そう、冒険者の数が多いのだ。なんで、こんなに多いのかと不思議に思った。  そうこう考えながらカウンターの方に向かう。  カウンターの前までくると、ドルバドスさんが難しい顔をし依頼書をみている。 「ドルバドスさん、いったいどうしたんだ? 冒険者の数も、さっきより多い」 「ん、グレイか。ふぅ、丁度よかった。話したいことがある」 「話したいこと?」  そう問いかけるとドルバドスさんは、二枚の依頼書をグレイにみせた。  グレイはその二枚の依頼書を受け取り交互にみている。  その様子をムドルさんは、グレイの右横からみていた。 「これは……そういう事か。ってことは、ここで話をするより……」 「ああ、俺の部屋で話した方がいい」 「それと、この件にはルイとメーメルも関わってる。恐らく、だがな」  そう言うとグレイは、私とメーメルを順にみたあとムドルさんをジト目でみる。 「……ムドル(お前)もくるのか?」 「その言い方は、余り良くありませんね。ですが、私にも知る権利はあるかと」  何があったのか知らないけど、二人の会話が妙にトゲトゲしかった。それにいつの間にかグレイは、ムドルさんのことを呼び捨てにしている。 「まあ、いい。ドルバドスさん、コイツもいいよな」  そう言うとグレイは、ムドルさんを指差す。 「構わないが。権利が、どうのって言ってたな。いったいコイツは誰だ?」  ドルバドスさんは、ムドルさんをジッとみる。 「これは失礼しました。私は、ムドル・サルベドと申します」 「ほう、お前がメーメルの探し人か。俺はこのギルドの責任者、ドルバドス・プロマだ」 「貴方がドルバドスさんですか。初めまして……この度はメーメル様のこと、本当にありがとうございました」  そう言いムドルさんは、深々と頭を下げた。  ドルバドスさんはそれをみて、ニヤッと口角を上げる。 「ああ、大したことはしてねぇがな」  その様子をみていたグレイは、なぜかムッとしムドルさんをジーッとみていた。 「うむ。じゃあ、俺の部屋で話すか」  そう言うとドルバドスさんは、こいと手招きする。  それをみてグレイとムドルさんとメーメルは、ドルバドスさんのあとを追った。私もそのあとを追いかける。  私はグレイとムドルさんを交互にみていた。どうみても、やはり何か変だ。  そう思うも、今それを聞ける状況ではない。そのことは、あとで聞こうと思う。  そしてその後、私たちはドルバドスさんの部屋へと入っていった。
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