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「大丈夫だから、ソユンは行っていいよ」 「アンジュが心配」 「大丈夫だよ?」 「やっぱり心配だから」 ソユンは私を軽々と持ち上げた。 これはお姫様抱っこと言うヤツだな。 ソユンのキレイな顔が私の目の前にきた。 長い睫毛、伏せられた瞼。 高すぎず、低く過ぎない鼻は、左右対称で形が良い。 潤いのある唇は、触れたら柔らかい事が分かる。 「どうしたの?」 「いや、カッコいいなぁと思ってさ」 「アンジュはほんとボクの顔、好きだよね」 「うん、大好き。ねぇソユン」 「ん?」 「キスしていい?」 「いいに決まってる!」 ソユンの唇が私に触れる。 柔らかいソレは私の唇を喰む。 「やっぱりアンジュは飲み過ぎだよ」 「そんな飲んでないよ」 「キスするとシャンパンの味がする」 ソユンはそう言いながら、私にまたキスをした。 ソユンのキスは甘く、優しく、終わらない。 終わらせたくないのは私も同じ。 「アンジュ……ダメかも」 「ダメだよね。撮影頑張ってね」 「……撮影しない」 「ダメだから。ほら行って」 「……分かったけど、もう少し」 私を抱きかかえたまま、ソユンは私にキスをする。 そのままベッドに入れば最高だけど、今はそれが出来ない。 だからこそ、キスだけでも気持ち良いのかもしれない。 あぁ、身体の奥が熱い。
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